『虫歯を劇的に減らす方法を調査せよ!』
 (参考:特命リサーチHP    一部抜粋させていただきました。)

 2003年1月23日(日)の特命リサーチという番組で上記のような”指令”が出ました。
この”指令”が出る元になったのは、山形県のある小学校で驚くべき事例が見つかったためなのです。それは
『12歳児のDMF歯数(未処置虫歯 喪失歯 処置歯の合計)が1986年の4,9本から、わずか6年後には、2,2本に減少。さらに現在のDMF歯数は0.4本と全国平均2,28本を大幅に下回り世界的にもトップレベルになった』
ということです。

◆虫歯減少の秘密として・・・
 
番組では次の二つを挙げていました。
@探針使用の中止
 みなさんが検診を受ける時や歯科医院に行かれた時に、先の尖がったもので歯をコリコリして虫歯のチェックを受けたことがあると思います。その時のコリコリに使う器具を”探針(エキスプローラー)といいます。
 1987年デンマーク・コペンハーゲン大学のエクストランド博士らの実験で、探針を使用すると虫歯が進行しやすいという結果が発表されました。特に初期虫歯を探針でつつくとエナメル質が破壊される事があり、歯の内部に虫歯の原因菌が侵入しやすくなって、虫歯が更に進んでしまうということなのです。このことより、この小学校では歯科検診の際には探針から視診に切り替えました。
 さらに、従来は検診で初期虫歯が見つかった場合には治療勧告書が渡され、すべてを治療するよう指導されていましたが、削った部分に詰め物をしても、10ミクロンほどの隙間は空いてしまい、そこから1ミクロン程度の虫歯の原因菌が入り込むと、酸に弱い歯の内部から虫歯が急速に進行してしまうため、探針の使用を中止すると同時に、子供たちの初期虫歯を削る治療を一切やめたそうです。

A歯の再石灰化を促す
通常、口の中はPh7(中性)前後に保たれていますが、食事をすると、口の中のPhは4.5程度と最も酸性度が強くなります。この時、カルシウムやリン酸など、歯の表面を覆う成分が急速に溶け出していき、これを「脱灰」と言います。しかし、食事を終えると、唾液中に含まれるカルシウムとリン酸が歯の表面に補給される「再石灰化」と呼ばれる現象が起こり、口の中は次第にPh7の中性に戻るのです。つまり、脱灰を少なくし、再石灰化を促す事が出来れば初期虫歯を回復させる事が可能であると考えられます。

◆最新虫歯予防法として・・・
<最新虫歯予防法@ フッ素を効果的に使用する> フッ素入りハミガキ
<最新虫歯予防法A よく噛んで食べる> 唾液による中和作用
<最新虫歯予防法B 食事の間隔に注意する> 唾液の中性化
<最新虫歯予防法C 寝る前には必ず歯を磨く> 睡眠中の虫歯菌活動抑制
<最新虫歯予防法D 定期的に歯科医へ通う> 自分でできない事の補い

『虫歯予防を歯磨きだけに頼っている日本人。しかし、ブラッシングだけで虫歯を防ぐことは難しい。これからは予防のために歯科医をうまく利用し、自分自身で虫歯を防ぐという意識が重要である。』 と結んでいます。
 
★当医院としては・・・
 ・探針に関して:既に以前より情報は入手しており、可能な限り実践しています。
 ・予防に関して:今や”当然”という感じのものばかりで目新しいものはありませんが、
           やはりこれからは”D”が大切だという事には大賛成です。
           そして、さらに、虫歯という”歯単位”だけで考えるのではなく、今の
           よく噛める状態を保ち続けるという”お口単位”にも意識をもって頂く
           事をお勧めします。